松戸で一番の引用マニア」カテゴリーアーカイブ

民法改正を機に我妻榮「民法案内7債権総論上」を読む1

約120年ぶりの債権法改正ということで,我妻先生の「民法案内7債権総論上」を読み直してみよう。改正内容との比較にも役に立つであろう。

以下 序章 債権法 より引用

債権とは,他人に対して一定の行為ないし給付を要求する権利をいう。貸金の返還,銀行預金の返還請求,交通事故にあった場合の損害賠償の請求などである。

債権は,人に対する権利という意味で対人性を有する。

債権の平等性が認められる

債権についても原則として譲渡性があるが(466条1項本文),債権の性質による制限(同条第1項但書)や特約による制限(同条2項)が認められる。債権についても一定限度で不可侵性が認められる。

国際取引法の分野で統一性の動きがある。(ウィーン売買条約CISG[国際物品売買契約に関する国際連合条約]など)。

平成18年秋法務省の法制審議会の審議の叩き台を作るための「民法(債権法)改正検討委員会」が組織され,改正作業は進行中である

改正までにほぼ10年かかったことになる。

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松戸で一番の引用マニア1

僕は(中略)香港の企業へも訪問することがありました。その時に現地で同行してくれた証券会社の女性セールスマンがいました。歳は二十五,六歳くらいだったと思います。
僕は彼女に「どんな男性と結婚したい?」と質問をしてみました。すると,間髪入れず「投資の上手な人」と応えたのです。
これには驚きました。日本人の女性からはまず返ってこない言葉だったからです。
彼女は続けて言いました。投資が上手な人が夫であれば,世界のどこに行っても豊かに暮らせる,と(中略)。僕はここに華僑の人たち,故国を離れて生きている人たちの生き方の核を見たように感じたのでした。

藤原敬之「日本人はなぜ株で損するのか」文春新書 P173より引用

この文章を読んで思い出したのが,蓮実重彦によるジョゼフ・ロージーとアレクサンダー・トローネのインタビュー。世界のどこでも生きていける人々。翻って自分は?

世界一の引用マニアであるヴァルター・ベンヤミンを目指してまずは松戸で一番の引用マニアになろう。

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大滝詠一読本完全保存版 別冊ステレオサウンド

大滝詠一読本完全保存版を購入。

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聞いてみたくてたまらなくなる音源がいくつか紹介されていた。

湯浅学による駒沢裕城インタビュー(P18)

湯浅「(前略)アルバム『ゴー!ゴー!ナイアガラ』の発売記念ライブ(76年10月7日日比谷公会堂)の時,アンコールが終わってもほとんどの客が残っていて,後幕が上がって片付けが始まってもまだ帰らない。そこに大滝さんが出てきて,「よーし,待っとれ」と言って駒沢さんを連れてきて,ふたりだけで「空いろのくれよん」をやった時があって,それはもう感激しました。その時自分でこっそり録ったテープは,今も大事にとってあります。」
駒沢「ああ,その時のことはよく憶えています(笑)(後略)」

うおおおおおお。

湯浅学「NIAGARA 45RPM VOXを聴いて」P48

『「幸せにさよなら/ドリーミング・デイ」はナイアガラがコロンビア配給になってからの最初のシングルで『ナイアガラトライアングルVOL.1』リリース時に,伊藤銀次,山下達郎,大滝詠一の3人が一同に会したナイアガラ・トライアングル名義の唯一の録音。実際はそれぞれ別々に(一回でOKだったという)歌ったトラックをミックスしたもの。3人で公けに歌ったのは,76年3月29日東京芝のABCホールでの「ナイアガラ・トライアングル発売記念コンサート」の時だけだった。』

ああああぃいいいいい,ゆ,湯浅さん,このコンサートの音源も持ってるんでしょう?

湯浅学「大瀧詠一提供作/プロデュース作」P169

『70年代のナイアガラが開店休業の時にその音頭ものにとんでもない怪提供作が生まれる。雑誌『ビックリハウス』が歌詞を公募,大滝が作・編曲・プロデュースを手がけた「ビックリハウス音頭」だ。歌うのは読者の女子高生3人組=デーボ。様々なロック・ポップス・童謡・民謡その他のフレーズをたたみかけるようにつぎはぎした、「レッツ・オンド・アゲン」のイントロをさらに発展させた折り込みものである。今ならサンプリングでやることを,”すべて”人力でやってのけた,とんでもないミュージック・コンクレート作品でもある。ジョン・オズワルドの「Plexure」を聴いたとき,真っ先に思い浮かべたのがこの「ビックリハウス音頭」だったことは強調しておきたい。』

ジョン・オズワルドとビックリハウス音頭の結び付け,これぞ湯浅学の面目躍如たる文章だ。この「ビックリハウス音頭」の音源はニコニコ動画で聞くことが出来るが,ぜひとも「レッツ・オンド・アゲン」に収録して欲しい。ジョン・オズワルドの「Plexure」も聞きたくなってしまった。

「別冊ステレオサウンド」次回の特集は,ルディ・ヴァン・ゲルダーとのことで,これも多分買うことになるだろうが,それにしても,このムックを購入した人の男女比と平均年齢を知りたいものだ。